マッサージやはりきゅうを受けたい人のための
コンシェルジュコラム
やっぱ国家資格でしょ!「クローズアップ現代」”肩こり解消”で思わぬ被害!?
おはようございます。治療院コンシェルジュの岩田 真人です。
2月10日に放送されたNHK「クローズアップ現代」”肩こり解消”で思わぬ被害!? ~癒やしブームの陰で何が~という興味深いテーマ。
鍼灸マッサージ治療の良さをお伝えする立場なので見逃すわけにはいきません。
内容は・・・「ちょっとどうかな~」と思う部分や「これは違法でしょう!」と明らかにおかしい部分、「そこをなぜ反論しなかなぁ~」ともどかしい部分が多々ありましたが、それはこっち側(鍼灸マッサージ業界)から見た意見なので、少なからずバイアスもかかっているので、ここでは言及しませんが・・・
現在、癒しブームと言われるほどさまざまな施術を受ける人が増えており、市場規模は1兆円に迫るとみられています。
その一方で、健康被害が全国で相次いでいて国民生活センターへの相談はこの9年間で9,000件以上、特に脊髄損傷や肋骨骨折といった重篤なケースが増えています。
その背景には、整体、リラクゼーション、カイロプラックティック、ボディケア、揉みほぐし、リフレなどには国家資格が存在しないため、基礎的知識が全くない”ずぶの素人”でも施術ができてしまうことがもっとも大きいと言われています。
怖いですね・・・
また、無資格者は「対象が痛みを感じ、危害を及ぼす可能性のある行為」は違法行為なので、単なるリラクゼーションしかできないはずなのに、健康被害が出るっておかしくありませんか?
あきらかに利用されている方は痛み(いた気持ちいい程度かもしれませんが)を感じているでしょうし、”首ボキボキ”などの行為は誰が見ても危害を及ぼす可能性があるでしょう。
じゃあ、国家資格を持っていれば安心なの?
僕ははっきり「はい!」と言います。(賛否両論はあるかと思いますが)
国家資格者がどれほどの技術や知識を持っているか、あまり知られていないのが現状なので、多くの人は、無資格者の施術を安易に受け入れているのだと思っています。
そこで今回は簡単に、国家資格「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」の免許についてご紹介します。
【免許証について】
日本では「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)」という法律が定められています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、もしくは医師の資格がなければ、人の身体の表面から触る・揉む・押す・叩く・なでる・擦るなどの手技行為を行うことはできません。
また、国家資格を持たない人が、鋭利な器具・機械を使った物理的な刺激や、皮膚を破る・皮内に刺入するなど、筋肉や血管・リンパ・関節に影響を及ぼす行為を、業務として行うことはできません。
マッサージ、はり、きゅうには、上記の法律で定められた、厚生労働省が発行する国家資格があります。国家資格を取得するためには、厚生労働省の認可を受けた養成機関(専門学校など)に3年間就学し、卒業することで受験資格を得る必要があります。国家試験に合格すれば、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格が発行されます。
【知識について】
就学中には、主に次のような内容を学びます。西洋医学と東洋医学、両方の正しい知識を持つことで、安全で効果の高い施術を行うことができるのです。
・西洋医学
解剖学、病理学、生理学、臨床医学、リハビリテーション医学、心理学、衛生学、公衆衛生学、理療理念、社会福祉、関係法規など
・東洋医学
経絡経穴、東洋医学概論、東洋医学臨床論、あん摩理論、中医学、マッサージ理論、指圧理論、物理療法など
【技術について】
まず基礎技術として、あん摩、あん腹、パウダーマッサージ、オイルマッサージ、乳房マッサージ、リンパマッサージ、指圧、アロママッサージ、物理療法、リハビリテーション、鍼(はり)、灸(きゅう)などを習得します。
2年生・3年生になると校内で患者様を受け入れて、臨床実習を行い、様々な症状や疾患と向き合います。また、人体解剖の研修もあります。
学校を卒業すると同時に国家試験を受験し、合格すれば「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」という国家資格が与えられます。
また、国家資格取得後は、ほとんどの治療家は臨床経験を得るためにいわゆる「修行」を数年~数十年行うのが一般的ですし、卒後研修も充実しております。
一方、無資格の場合は、民間団体では民間資格・認定証を発行していますが、その基準は不明瞭で、数時間~数週間程度の教育で取得できるものです。ひどいものになれば、通信教育や自社での研修で独自の認定証を発行している場合もあります。
国家資格を取得せずにマッサージを行うのは「違法行為」です。
たくさんあるマッサージ店や施術所の中には資格も経験もないまま施術を行っている店があるのが現実です。そんな中で、あなたの大切な身体を守るための一つの基準は「国家資格」です。
せっかく楽になりたくて通ったマッサージ店や施術所で、ケガをしては本末転倒です。もしそれが、これからの人生を揺るがす重篤なものだったらシャレになりませんよ。
かならず「国家資格を持った鍼灸マッサージ治療院」を選ぶようにしてくださいね。
