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コンシェルジュコラム
鍼灸なかだ治療院の症例報告 ケース⑥:腰方形筋について Vol.3
おはようございます。金沢市松村1丁目の【鍼灸なかだ治療院】の中田 和宏です。
「鍼灸なかだ治療院の症例報告」というテーマで、コラムを連載しております。(今までのコラム↓)
今回も”腰方形筋に関連するの症例”をご紹介したいと思います。
腰方形筋は、脊柱の安定性に重要な役割があり、姿勢保持に大きく影響する筋肉の1つです。腰方形筋は左右の対象に付着する筋肉のため、どちらの筋肉が硬くなったり(筋硬結)筋肉の弱くなる(弱化)と骨盤の左右の高さの差が生まれてしまうなど骨盤の傾きを引き起こし、腰痛などの原因になることがあります。
また、腰方形筋の筋力低下や萎縮が起こると骨・関節・椎間板への影響をきたすこともわかってきています。
腰方形筋に関連する症例③
74歳、男性、主訴は腰臀部痛。
<所見>
自営業、中肉中背で仕事柄立ち仕事が多く、やや中腰で作業を続けることがもっぱらとのこと。
1年前に腹部の手術をしてから余計に腰が痛くなりました。腹筋が弱くなって腰の負担が増えたんでしょう。
年齢的に筋力低下が起こる年頃にも関わらず、中腰での仕事を続けているわけで、筋疲労も相当なものと推測されました。
姿勢を見ると、膝が軽度屈曲位で腰椎の前湾が減少し、下腹を軽く前に突き出し、アゴが上がって前に出た状態、つまりおじいちゃんの格好になっています。
この姿勢が一番楽な格好で、あえて”気を付け”の姿勢を取ると、しばらくで腰とお尻が痛くなります。
理学所見上、いろいろ問題はありましたが腰部の問題というより既往歴にある病気によるものと考えられたので、まずは腰臀部痛の軽減を優先することにし、病気の探索は医療機関に任せることにしました。
<治療>
触診して見ると、やはり腰方形筋に大きなコリがありました。
腰方形筋は腰椎の肋骨突起に付着しているので、この部位を探るとコリと圧痛を見つけることができます。
見つかると強く押したくなるのが治療者魂かもしれませんが、そこはガマン。
ゆっくりと鍼を刺入し置鍼します。
この方の場合は置鍼の前に雀啄(じゃくたく)という手技を行ないました。雀啄(じゃくたく)とは、一定の深さまで刺入してから、雀が啄む(ついばむ)ように鍼を進めたり戻したりする方法です。
コリの表面を鍼でこするようにすると、患者さんはいつもの痛いところに響いて大変気持ちが良いと満足げに話してくれました。
置鍼中は寝ていたようです。
終了後に体を動かしてもらうと、痛みが軽くなり楽に体が動かせます。
慢性腰痛ですので、いっぺんにすべて取りきることはできません。
腰以外にも問題があるのが高齢者です。通院をしてもらうことになりました。
後日、お電話にて治療後久しぶりに洗車をし、草むしりもした。すごく楽でいろいろできて嬉しかったとのことでした。家の人にやりすぎだと叱られたと言っておりました。
高齢者の慢性腰痛は治りはしませんが楽に生活できるようになることもあります。大変素晴らしいことです。
<最後に>
腰痛を起こす筋肉は腰方形筋以外にもいろいろあります。複数の場合もあります。悪いところをよく見極めることが大切です。
また、社会的、習慣的な要素も見逃せません。
特に慢性の場合は、特定の筋肉の障害と同じぐらい社会的背景や習慣が問題となり、なかなか改善しない場合があります。
そんな場合は気長にあきらめず、必ず良くなると信じて治療や運動などを続けていくことと、気持ちを切り替え、習慣を見直し、痛みの悪循環を断ち切ることが大事です。
痛いこと、悪いことばかり目を向けず、良くなったこと、楽になったことに目を向け、カラダに感謝といたわりの気持ちを持つことが大事です。
最後はスピリチュアルなお話になってしまいました。一人でも多くの腰痛患者さんが楽になるよう鍼灸という手段で貢献したいと思います。
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