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コンシェルジュコラム
鍼灸なかだ治療院の症例報告 ケース⑫:腰痛なのにアタマに鍼?
こんにちは。金沢市松村1丁目の【鍼灸なかだ治療院】の中田 和宏です。
「鍼灸なかだ治療院の症例報告」というテーマで、コラムを連載しております。(今までのコラム↓)
今回は”腰痛なのにアタマに鍼?”というテーマで腰痛に対する症例をご紹介したいと思います。
ケース⑫:腰痛なのにアタマに鍼?
緊急事態宣言が延長され休校、店舗の休業など深刻な状況が続いていますが、感染したら元も子もありません。
何とか頑張ってやり過ごすしかないのが現状です。
さて、今日はアタマの鍼のお話です。アタマに鍼を刺すというと脳まで刺さるんじゃないかと言った患者さんがいらっしゃいましたが、そんなことはありません。
頭蓋骨があって鍼は数ミリメートルしか刺さりませんのでご安心ください。頭皮に垂直に鍼を刺すことはあまりなく、横に寝かせて頭皮に沿って刺します。また、お灸も使われます。
頭部にはたくさんのツボがあります。
それぞれのツボに効能があって頭痛をはじめとする頭の病気や顔面の病気に使われることが多くあります。
数十年前に中国で新しい頭の鍼のやり方が開発されました。
それは脳卒中などの中枢性疾患を治療するものでした。
最近では日本で開発され世界的に広まっている”山元式新頭鍼療法”という治療法があります。
頭文字をとって”YNSA”といわれています。
宮崎で開業されている山元医師が開発した方法です。
特殊な診断方法とそれに対応した頭部のポイントに鍼をすることで、痛みの病気や脳神経疾患などの難病の治療に応用されています。
今日お話しするアタマの鍼は、たぶん多くの鍼灸師が日常的に使っている方法だと思われます。
我々の世界では特殊なものではなく、当たり前で効果が高い方法です。
強い痛みがあるときに使います。
カラダのどこの痛みでも大丈夫です。
要するに痛みの感受性を適正にする方法です。
けがや慢性の病気で痛みが出ると脳が興奮状態になって痛みを増幅させてしまいます。
また、長時間ストレスにさらされても脳は興奮状態になります。
痛みに敏感になります。
鍼はその興奮を抑えると考えられています。
また、すじがつっぱって痛いなどの動きに問題がある痛みでは筋膜を介してすじのつっぱりを緩め痛みを軽くするように感じています。
頭部には帽状腱膜というしっかりした筋膜組織があります。
これが首や背中、足までつながっていることから、すじのつっぱりに効くのではないかと考えられます。
症例報告:頭鍼療法① 80代女性
80歳代のご高齢の女性。
前日転んでから右足の付け根が強く痛むようになり支えてもらわないと歩けません。
からだを拝見すると大腿骨頸部骨折の疑いが濃厚です。
近くの病院に行くようお話ししましたが痛みを軽くしてほしいと言ってききません。
病院で検査することを条件に頭に鍼灸をしました。
最初は足が痛いのに頭に??といぶかっていましたが施術後一人で歩けるぐらいに痛みが軽くなりました。
そのまま病院へ行ってもらったところ、やはり大腿骨頸部骨折で入院となりました。
鍼で骨折は治りませんが、痛みは軽減できます。
しかし長くは続かないでしょう。原因が残っていますので。
症例報告:頭鍼療法② 30代男性
もう一例。
30歳の男性、やややせ形で工場勤務。
連日同じ作業を繰り返しています。
現在の仕事を始めてから3か月。
腰痛が徐々に強くなってきて最近では仕事に差し障るようになり、鍼灸治療に来院されました。
カラダを拝見すると背中や腰すべてがパンパンに張っています。
このパンパンのところに鍼を刺すことはできません。
すごく痛いからです。
なので少しストレッチをしてもらい緊張が取れたところで軽く鍼をしました。
お話を伺うと職種が変わってなれない作業に加えて常に緊張して仕事をしているとのこと。
そのために背中や腰が張っているとわかりました。
もちろん腰痛をかばっているせいもあります。
そこで頭に鍼をしたまま腰の体操を行いました。
その後、鍼を取って痛みの出る動作をしてもらったところほぼ痛みが取れていましたので治療を終了しました。
現在の痛みは取れましたが仕事を再開すると疲れてきてまた痛くなることが考えられるので、ひどくなる前に再受診することと、腰や背中の緊張をほぐすストレッチを教えました。
腰の痛みなのに頭に鍼をしました。
カラダ中にツボはあります。
どのツボを使うかは病状と鍼灸師の経験で決まります。
ひとりひとり違います。
痛みの原因がどこにあるかを探り推理し、それをもとに治療をして効果が現れることは治療の醍醐味です。
患者さんも施術者もウインウイン。
新型コロナウイルス感染拡大で、治療に行きたくても出控えていらっしゃることと思います。
当院では終日完全予約制で他の方との接触は極力控え、室内の消毒を徹底して行っています。
受診される際は、お電話(076-267-6989)にてご相談ください。
(症例はプライバシー保護のため脚色を加えてありますが、大筋は事実です)
住所:金沢市松村1丁目36番地 マーヴェラス松村1F
電話:076-267-6989
http://www.ahk-concierge.com/ahk/shinkyu-nakada/
